松本家展
第2回松本家展-昨日の記録、1万年の記憶-
2022年9月23~25日、復興交流館あぜりあ(福島県葛尾村)・オンライン展示会場(本Webサイト内)にて、「第2回松本家展 -昨日の記録、1万年の記憶-」を開催します。
松本家は福島県双葉郡葛尾村の北端にある一軒家です。 第二次世界大戦中に疎開して以来、松本家一家が暮らしてきました。 2011年福島第一原発事故により葛尾村全域が帰宅困難地域に指定されたことに伴い、松本家も村外移住を余儀なくされます。 2022年現在、避難指示は解除されましたが葛尾村を離れた松本家の人々はもうその家には住んでいません。
第2回松本家展では第1回-現在地-を引き継いで松本家の歴史を探ります。 松本家が位置する広谷地地区の歴史は古く縄文時代から人の居住が確認されています。 遠い過去の歴史は遺物や学術調査を通じて考察される対象である一方、個人的な体験と結びついてその後の人生に影響を与える記憶を作ることもあります。 対して、思い出として語られるような近過去の出来事は個人的実感に溢れるがゆえに、 他者が記録し語り直すことではじめて歴史として客観的に扱える対象となるものでもあります。 本展では記録と記憶を行き来しながら松本家の土地と人々の歴史に目を向けます。 実物が残されている場合についてはできるだけ現物を展示し、思い出話として語られる歴史については影絵劇を用いてシーンの再構築を試みました。 過去を記録し、物語ることは、これからの松本家のカタチを想像するための補助線を引く行為となるでしょう。
また、現在の私たちが松本家の歴史に参加し続きの物語を紡ぐことができるように『松本家架空日記』を用意しました。 架空の日記を書くことを通じてみなさんは歴史の隠れた1ページあるいはこれから先の1ページに参加することができます。 登場人物はあなたでもあなたではない誰かでも構いません。 ある縄文時代から遥か未来までのどこか1日を選んで松本家で起こるかもしれないある日の物語を書いてください。 手書きの用紙でもwebサイトの特設フォームからでも参加いただけます。投稿された日記はリアルタイムで展示会場に反映されます。
加えて、9月23日14時より復興交流館あぜりあにて、松本家一家の方と展示企画者による1時間程度のトークセッションを行います。 松本家展の取り組みを通じて、今後の松本家そして葛尾村について語ります。ご参加いただいた方々にもお話を伺いながら進めてまいりますので是非ご参加ください。 その他、イベントに関する情報は本ページ上で随時公開いたします。
※9月23日より以前に、ポスター及び展示冊子内のQRコード「オンライン展示会場」「キャプション一覧」「松本家架空日記」にアクセスされた方は このページに飛ばされる設定になっています。9月23日以降に再度アクセスしていただけると幸いです。


第1回松本家展 -現在地-
2021年8月、松本家計画が企画する最初の展示会として、『第1回松本家展 ―現在地―』を開催しました。
松本家は福島県双葉郡葛尾村の北端にある一軒家です。 第二次世界大戦中に一家が移住して以来、代々松本家の人々が暮らしてきました。 2011年福島第一原発事故により葛尾村全域が帰宅困難地域に指定されたことに伴い、松本家一家も村外移住を余儀なくされます。 2021年現在、松本家の避難指示は解除されましたが葛尾村を離れた一家の人々はその家にはもう住んではいません。 そして、家の前を通る道はいまだ帰宅困難地域を隔てるバリケードで塞がれています。
一方で、松本家に時折新たな訪問者が顔を出すようになりました。 全国各地から葛尾村を訪れる若者たちです。 松本家展では彼らがさまざまな方法で記録した松本家を展示します。 文章で、写真で、模型で、ゲームで記録された松本家は事実の記録であることを超えて作者の心情や理想が投影された個人的な記録であり、松本家にまつわる物語のようだと言えます。 それゆえ、ここから始まる一連の展示会や、それをも含めた松本家を舞台とした全ての活動(松本家計画)の主題を「記録する、物語る。」としました。 特別有名でないことでも、必ずしもこれから発展していくのではないことでも、記録し、物語ることそれ自体に何かしらの意味があるのではないか、なにか救いになることもあるのではないかとの思いで松本家計画は進められています。
第1回展示では、特に松本家の現在地に焦点を当てました。松本家を取り巻く現在の状況を明らかにするとともに、始まったばかりの松本家計画の現在地も示しています。 展示作品はWebサイト「松本家通信」内にアーカイブされており、下の画像をクリックするとガイドに移動します。
